with you. [side Akaya]





だらだらと手首を滴り、床を染めているのは

俺がカッターで切りつけた手首の傷から溢れる大量の真紅の血。

あーあ なんて軽く思っちゃったりして

別に何も感じなくて。



こういう事するのは もう何回目だろう。

お陰でもう、貧血が度々ある。

先輩たちにも迷惑を掛けているのはわかってる。

スポーツをするものとして、こんなことしてはならないってわかってる。






でも、癖なんだ。





痛みすら快感で。

痛みすら感じなくなって。

快感だけになって。

どく、どくと波打つ鼓動は、もうすぐ途切れそうで。

嗚呼。

俺はもうどうなってもいい。

言うべき事も するべきことも

言われるべき事も されるべきことも

俺はもう全て、やったから。



いつ倒れたっていい。

何時逝けたっていい。

あいつにできて、俺に出来ないなんて。

そんなこと、あっていいはずがない。




それに、もう










もう、あの人はいない。

年下だから、【あの人】なんて可笑しいけど。

ああ。

分ったかもしれないけど

俺は、俺にとって大切な人を亡くした。

もう先に逝ってしまった。

天国とか地獄とか、どっちかなんてしらないけど。

彼は、俺を置いて先に逝った。

だから俺も、【あいつ】とその彼と、そして【彼】を追いたい。

ああ。そうだよ。

俺は逃げるんだ。

これ以上、何も失くしたくないから

失くすのを見たくなんてないから。

それに、

【彼】にもう一度会いたいから。

深司みたいに、死に損なってまた自殺をするなんていやだし。

正確に死ねるように。





だから、俺は、今、屋上に、います。





遺書って言うのかなみたいなモノ持って。

靴は脱ぎ掛けで。

フェンスを越えれば、もうすぐにでも飛び降りれる程。

誰も来なければ、俺はもうすぐ、【あの人たち】に会える。

闇かも知れない。

でもきっと会える。そう信じてるんだ。

俺には 合わないかもしれないけど。

頭から飛び降りれば、すぐに正確に死ねる。


カン、カン、カン、カン・・・



あぁ、大変だ。

誰かが屋上に向かってる。

サボりに来る人だ。

その人に見つけてもらおう。

俺の遺書とか、俺の靴とか。

全部、越前のモノと一緒に入れてもらおう。









じゃぁね、先輩たち。



バイバイ、大好きな、先輩たち。



でも俺は、もっと大好きだった人たちの元へ逝くから。

わかってるっすよ?

でも、俺は【彼】がいないと。

でも、俺は【彼ら】がいないと。

判ってくれるよね?

俺が、どれだけ【彼】を愛してたか。

耐えられないんだ。

俺は、フェンスを越え、靴を脱ぎ揃えた。



カン、カン、カン。



階段を上る音は、屋上への扉の前で止まった。

俺はもう決心してるから、泣くことはない。

俺たちが、逢えること、願っていてよ?

ばいばい。先輩。






























ガチャ。

「・・・・・・ん?」

屋上はただ、一人の男生徒がいるだけだった。
ふと、目についた見覚えのある靴。
近づいてみればすぐわかるが、靴とコンクリートの間には折り畳まれた紙。
よく見ると、【遺 書】の二文字。

「・・・あ・・・・?」
はっとして、慌ててフェンス越しに下を見た。
そこには、4階校舎の屋上から落ちた所為か、血を辺りに撒き散らしたヒトだったモノ。
「っ・・・!!!」
慌てて反対側へと首を背けた。

が、足元にあるそれはあまりに見知った文字に靴。
そして、人間を創っていたそれらのうちの髪の毛。
「っっ!!!!赤也ぁっ!!!!」
丸井ブン太は、目を見開いてモノを見た。
その目は、信じられないモノを見たこと、信じたくないことが起こっている事から、
両方の目から大量の涙が出てきていた。
そして、何も考える事無く、屋上の扉から飛び出していった。





End


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言い訳。

赤也君を自殺させちゃいました。
深司君のとどっかリンクしています。
ちなみに、このお話はリョ赤です。
どうぞその辺宜しくー。(ぉぃ



あ、あと、【リョ赤←ブン太】って感じかな?
ブンちゃん最後にしか出てないけど。