ねえ もう一度
ゲームをしようよ
二人だけで
二人きりの
ゲームをしよう。
-さあ 始まるよ-
「切原さん」
越前は急に呼び止めた。
それはきっと偶然。
丁度、彼は東京に用事があって出てきた。
だから、それはきっと偶然。
「越前?」
「お久しぶりっすね」
越前はそう言ってきた。
「・・そうだな。それがどうした?」
「・・・別に。」
相変わらず掴めない。
暫らく歩いているが、越前はどこに行く素振りも見せない。
後ろからずっとついてきている。
「何なんだよ、てめえは?!」
「あぁ、何となくだから気にしないで。」
あっさりとそういうが、切原にはどうしても気にせずに入られない。
前を向いて歩き出したは良いものの、ちら、と後ろを気にしてしまう。
慌ててまた前を向くが、どうしても気になってしょうがない。
ふいに、とことことついてくる越前は、なんだか弟のような気がした。
そう思うと、自然と笑みが零れる。
自分が弟だから、兄になった気分は感じた事が無い。
だが、何となく弟ってこんなものかな、と思ってみたりする。
「ねえ、切原さん。」
「あんだよ」
越前はひょいと隣を歩き始める。
切原は越前を見ずに答えた。
「試合、しようよ。」
「・・・あぁ?」
街中を歩いているというのに、何を急に言い出すのか。
「わりぃが俺は今日は忙しいの」
何が嬉しくてこんな奴とまた試合をしなくてはいけないのか。
そう思った。一瞬だけ。
越前は面白くなさそうに隣を歩く。
「・・・やっぱ、しよっかな・・・」
そう呟いた声は、越前にも届いていたらしい。
「試合、する?」
「つってもよー・・・そういえば俺、ラケットなんて持ってきてねぇよ」
思わず手を見て握り締める。
「いいよ、俺の貸すから。家おいでよ」
「へ?マジ?サンキュ!」
切原は嬉しそうに笑った。
「おじゃましまーす!」
越前家に着いてすぐに、越前はラケットを取りに二回へ。
切原は待っていてと言われてリビングへと案内された。
「ほあら〜」
「・・・へ?」
おかしな動物の鳴き声がした。
その方向を見てみると、足元に寄り付く猫がいた。
猫なのは確かだが、切原は
「・・・・・・狸・・・?」
完全に勘違いしていた。
「お〜いカルピーン」
男の人の声がした。南次郎だ。
もちろん、切原にわかるはずはない。
「ほあら〜」
猫は鳴いた。
「お前・・カルピンってのか?」
切原はカルピンを持ち上げて自分の顔の前にもってきた。
動物の言葉がわかるわけではないが、聞いてみる。
「ほあら〜」
また鳴いた。
切原が素直に可愛いな、などと思っていると、カルピンは切原の鼻を舐めた。
「ぅわっ」
小さく悲鳴をあげた。
「・・・・・・・・・・あんた、何してんの・・・」
「ぉわあ!」
後ろから急に声をかけられた切原は、慌てた。
「え、え、えっ、えちぜ・・」
「ほら、試合するんでしょ?」
そう言って越前はラケットを切原に差し出した。
「あ・・・サンキュー」
越前に着いていったら、寺の裏側へ案内された。
そこには、しっかりテニスコートが1面あった。
切原は越前(家)がテニスコートを持っていたということに驚いた。
そして、何か思い出して越前に聞いた。
「お前、カルピンって狸飼ってんのな。」
「・・・・・・・・は?あれ・・・猫なんだけど・・・」
まだ完全に勘違いしていた。
「早く試合やろーよ」
越前が急かす。
切原は準備体操等をさっさと済ませると、コート内に入った。
「フィッチ?」
「あー・・・ラフ」
越前がラケットを回し、切原が選ぶ。
ラケットが出した結果は、スムース。
「じゃ、俺からサーブね。」
「はーっ、つっかれた!」
「結構やるね」
越前はタオルで汗を拭きながら言う。
「当り前だろ、俺だって全国行くし、鍛えてんだって!」
切原は自身満々に言う。
「全国でも負けないよ」
「そりゃ、こっちだって」
切原はキッと越前を見た。
「楽しみだね」
「ねえ、切原さん」
越前は切原が帰る直前、呼び止めた。
「ゲーム、しようよ」
「あぁ?」
何のだよ、と聞こうとして、越前に止められた。
何時の間にか、越前の顔は目の前にあった。
ドキリ、と胸が大きく鳴った。
さらに近づいてくる。思わず目を瞑った。
何かが触れる感触。ちゅと音を立てて離れるソレ。
「ね、この前俺、切原さんに助けられたって言うのか・・・まあ、そんな事あったじゃん。
その時にさ、俺、あんたのこと好きになったっぽい。」
そう言われて、今更ながらその時のことを思い出した。
越前とキスしたのは、初めてではない。
「ゲーム、しよ?」
「・・・つまり、そういう事で?」
「もち」
悪戯っぽく笑った。
切原は溜息をついた。
「もうちょっとわかりやすくいって欲しいっすね」
切原は同じように、悪戯に笑った。
ゲームの始まり
二人だけのゲーム。
どこまで続くか
わからない
恋という名のゲーム
-さあ 始めよう-
02.【試合】
**********************************
二人ともこんなキャラじゃない。
でも・・・私、リョ赤は好きだよ?(ォィ)
つい最近、【あらや】と言う看板を【あかや】と
見間違えてうわーとかぎゃーとかいろいろ
言ってしまったことがありました。(関係ない)
よく見たら【あらや】だったんです。(この後逃走)